現代の三井グループのルーツは、江戸時代の三井越後屋です。
江戸有数の呉服店として名を馳せ、その後は両替商としても活躍、明治には三井銀行を創業しました。
現代にも続く長い歴史をもつ三井越後屋は、従来の方法を大きく変えたことで成功を手にします。
朝礼ネタのポイント|既成概念にとらわれずにチャレンジする!
江戸時代、商売の基本は掛け売りでした。
商品の値段と手数料の合計を、後日請求するのが主流。
しかし三井越後屋は、掛け売りをやめて現金払いに変えたのです。
今では当たり前のことですが、当時は画期的な発想でした。
庶民はもちろん、商売仲間も驚いたでしょう。
今までと異なる手法は、周りからの反対意見もあったのではないでしょうか。
しかしこのやり方は、現金をその場で払ってもらうことで、手数料なしの安値で商品を提供できました。
これが客を喜ばせ、新たな商売方法として確立したのです。
三井越後屋が変えたものは他にもあります。
当時の呉服店は、商人が客の家に出向いて着物を売っていました。
これをやめて、店内に商品を並べるスタイルに変えたのです。
手間やコストも省けて、店の見栄えも華やかになり、新たな顧客獲得にもつながったでしょう。
反物単位で売る方法も、客が欲しい分だけ提供する切り売りスタイルに変えました。
着物を1着作れる量が、反物1つ分。客によっては、そこまでの量が必要ない人もいたはずです。
着物の端切れなど少ない量も提供することで、気軽に商品を手に取ってもらえるようになりました。
これらはすべて、今の私たちには当たり前すぎて、凄さがあまり伝わらないかもしれません。
しかし江戸時代、このように商売していた店はありませんでした。
既成概念にとらわれず、従来の方法を大きく変えたからこそ、三井越後屋は大成功したのです。
私たちが生きる現代のビジネスシーンにも、常識にとらわれすぎていることがあるかもしれません。
それを取り払った新しい発想が、次の時代を作っていく鍵となるのではないでしょうか。