自動車産業を大きく育てた人物に「ヘンリーフォード」という人物を皆さんはご存知でしょうか。
アメリカの自動車メーカーである「フォード社」の創業者が、ヘンリーフォード(以下H・フォード)です。
自動車を大量生産するために「ライン生産方式」を用い、成功を収め自動車を世の中に大きく普及させる一端を担った人物です。
自動車のライン生産方式を導入するには、多くの従業員を抱えなくてはいけません。
他社に先駆けてライン生産を導入したフォード氏は、それだけ求心力を持った人間ということもできます。
そんな彼の、経営者としての能力を表すエピソードがあります。
1919年ヘンリーフォード氏は、「H・フォードは無知で無関心なアナキスト(無政府主義者)」と社説を書いたシカゴトリビューン社に、100万ドルの損害賠償を求める裁判を起こしました。
裁判の中で、記者は意地悪く歴史の問題を問いかけると、彼は「自分は無知であるし、実際高等教育も受けていない」と認めつつ「私のデスクには電話がある。この電話を使えば必要な情報は全て専門家から手に入る」と続けました。
必要なのは知識ではなく「人を動かす能力」だと説いたのです。
さらに、フォード社のエグゼクティブを勤めたC・Eソレンセンも「へンリー・フォードは神がかり的な人間でもなければ、天才でもなかった。やるべきことは、断固として行なう責任感の強い人間だった。この責任感こそかれの最木の特長である」と、ヘンリーフォードの人物像を表現しています。
「自分は無力じゃないのか」「これは自分にはできない」
そうやって、自己完結させてしまう人や、自己否定に走ってしまう人もいるかもしれません。
しかし、本当に優秀な人でも、すべてを自分だけで完結させることはできないのです。
真に優秀な人とは、「しっかりとした責任を持って仕事に従事し、頼れる人を集められる」そんな人物なのかもしれませんね。