現在のデジタル放送におけるテレビの“生放送”は、実は本当の意味での生放送ではないのです。
アナログ放送だった時代は本当にリアルタイムの放送でしたが、デジタル放送になってからは“ディレイ放送”と呼ばれる方式に変わっています。
ディレイ放送とは実際の映像より数秒遅れる放送のことで、アメリカではアナログ放送の時代からこの方式が採用されています。
遅れるのがほんの数秒だけなので生放送と呼んでも差し支えなく、通常は特に気にすることもありません。
デジタル放送になるにあたってこのような放送に変えた理由は、「突然の放送事故を防止するため」と言われています。
たとえば画面に映ってはいけないものが映り込んでしまったり、テレビでは放送できないようなシーンを放送する前に切り替えられるのです。
滅多にあることでもないでしょうが「数秒間の猶予」があることで、安心して生放送ができるようになった、ともいえますね。
なお、この数秒間のラグが存在するため、現在のテレビの画面上部に表示される時刻は正確ではありません。
よく見ると表示が変わるときの数秒は、少しぼかしているのが分かりますよ。