「優れたリーダーであるためには」
「リーダーやマネージャーをはじめて任された人や、すでに部下を持つリーダーが悩むこと」
それは「信頼されるリーダーになるにはどうすればいいのか?」ということではないでしょうか。
この記事ではリーダーが取るべき行動やテクニック、リーダーとして知っておきたい内容について詳しく解説します。
この記事を読むことにより、あなたはよりリーダーにふさわしい考え方やマネジメントスキルを身につけることができるようになります。
リーダーに求められること
結論からいうと、リーダーに求められるのは個人の成果ではなく「組織としての成果」です。
単体ではなく、チームとしての成果を求められるのです。
組織としての成果を上げるためには、優れたリーダーシップを発揮するのはもちろん、部下から信頼されるリーダーになる必要があります。
ヘリウムリングゲームとは
優れたリーダーになるための条件をお伝えする前に、フラフープを使った実験として有名なヘリウムリングゲームについて触れておきます。
なんだか文字からは楽しそうな雰囲気が出ていますが、リーダーとなんの関係があるのでしょうか。それでは見ていきましょう。
フラフープの実験内容
実験のやり方は簡単で、ひとつのフラフープを5~6人のメンバーが指1本で支え、目の前の5m先のゴールまで進み、どのグループが先にゴールできるか?を競うものです。
フラフープを持つ場合は、指でフラフープをつかむことは禁止で、フラフープを指1本で支えながらゴールを目指します。
フラフープを使った実験は、コーチング研修などでよく使われる手法です。
この実験でリーダーとして考えさせられることは、以下の3点です。
- 全員の状況を把握する必要がある
- 大きな声で指示をだして、全員を引っ張る必要がある
- ゴールまで声をかけ続ける必要がある
ヘリウムリングゲームにより、組織を運営していくなかでリーダーの存在がいかに重要なのかおわかり頂けると思います。
フラフープの実験をまだやったことがない…という人は、ぜひ一度社内でやってみることをおすすめします。
優れたリーダーになるための条件
あなたが組織やチームの中で、優れたリーダーであるためには、何を注意し、意識したら良いのでしょうか。
優れたリーダーになるための、5つの条件について解説していきます。
条件その1:無理やり部下を変えようとはしない
1つ目の条件は「優れたリーダーは部下を変えようとしない」という点です。
よく新任リーダーなどを任せると、「前任者とは違った優れた組織にしてやろう!」
と意気込んで、部下の考え方を無理やり変えようとする人がいます。
たしかにスピード感が求められる今のビジネス現場では、無理やりにでも部下の考え方を変えて、組織としての成果を出すことも必要かもしれません。
しかし、「人はそう簡単に変わるものではありません」
「他人と過去は変えられない」とはよく言ったものです。
たとえば、意識の低い部下の考え方を無理やり変えたり、成果の上がらないやり方に固執したりしている部下の考え方を変えようと思っても、そうそう変わらないのが現実です。
では、「優れたリーダー」と呼ばれるためにはどうすればいいのでしょうか…。
それは「自分が変わること」です。
リーダーが常に思っている常識は、部下の常識とは天と地くらいかけ離れているものです。
その状態でリーダーが部下に対し「〇〇をして当然!」という接し方をしても、部下は反発するだけです。
部下に自分の思うとおりに動いて欲しいなら、まずは目線を1段下げて「部下の常識を自分の常識として理解すること」が大切です。
現場の意識を変えるのはそれからです。
部下の常識が理解できたら、部下の目線で「目指すべき目標」「心がけて欲しい行動」について、具体的に指示を出すようにしましょう。
単に「やれ!」というだけでは、人は動きません。
条件その2:部下の「仕事」は信じなくても「人」は信じる
2つ目の条件は「部下という人は信じても仕事は信じない」ということです。
「一体なにを言っているのかわからない…」というひとも多いかもしれません。
実際のビジネスの現場でリーダーが部下と接するときには、どうしても「人として」部下を見下しがちです。
部下のなかには「年下の部下」もいれば「年上の部下」もいるでしょう。
ただ、大事なのは「人として最大限の経緯を払う」ということです。
部下からの報告を聞くときや、人事評価をするときに厳しい指摘をしていいのは「部下がした業務に対して」です。
優れたリーダーは、部下の人間性を見下したり否定したりすることは絶対にしません。
条件その3:部下の家族にも興味を持つ
3つ目の条件は、「リーダーは部下だけではなく部下の家族にも感謝する」という点です。
部下が会社で最高のパフォーマンスを発揮できるのは「家族の支えがあってこそ」です。
優れたリーダーは、部下の以下3つのことについて気にかけています。
- 部下の子どもの年齢や性別は?
- 部下のパートナーは、いつもどんなふうに支えてくれている?
- 会社であったことは、部下の家庭で共有されている?
上記のようなことは、優れたリーダーなら最低限知っておきたいところです。
部下の家族に興味を持つリーダーは、会社で部下が成功をおさめたときは、家族に感謝をするようにいろんな「しかけ」をします。
たとえば、部下が営業成績で優秀賞をとったときには、社内で表彰状を飾るのではなく「自宅に飾るように」と指導します。
また、なにかにつけて「部下の家族」を心配します。
そうすることで、部下は家族からのサポートをより一層受けることになり、部下のパフォーマンスはさらに向上するのです。
さらに、もし部下が「会社を辞めたい」となった場合でも、リーダーとしての気遣いが部下の家族に伝わっていれば、家族が部下に対して「あんないい上司がいる会社なら、もう少し頑張ってみたら」とフォローしてくれることもあるのです。
条件その4:「出来の悪い部下」にチャンスを与える
4つ目の条件は、「出来の悪い部下」にチャンスを与えるという点です。
スピード感が求められる実際のビジネスの現場では難しい部分もありますが、優れたリーダーは「出来の悪い部下」に仕事を任せます。
この記事の冒頭で、リーダーは「組織として成果を上げることが求められる」ということをお伝えしました。最初から能力が高い部下に仕事を任せた場合、「まずまずの成果」は出せるかもしれません。
しかし、それは「個人の成果」であって、リーダーが求められている「組織としての成果」ではないのです。
最初から能力のある部下に仕事をさせる…ということは、上司としての指導を放棄していることにもなりかねません。
たしかに成長途中の部下に仕事を任せるのには面倒ですし、待つ勇気も必要です。
しかし、そうやって思い切って仕事を任せて、成功したときの組織力は個人では成しえない素晴らしい力を秘めています。
また、仕事を任された部下は、リーダーに全幅の信頼を寄せることになります。そうすることで組織がうまくまわっていくのです。
条件その5:「最後の砦」という覚悟を持つ
最後の条件は、「責任をとること」です。
当たり前のことですが、部下が失敗してもそれはリーダーである上司の責任です。
さきほども触れましたが、部下が仕事で失敗したときには仕事のミスは指摘しても、人としては信頼していることを改めて伝えることが大切です。
また、部下に指示を出すときには「最後は自分が責任を持つ」「なんとかなるからやってみろ」という余裕を見せることも必要です。いざというときにハシゴを外す上司ほど、残念な上司はいません。
とくに中間管理職でありがちなのが「上が言ってるからやってくれ」という指示です。これでは最後の砦どころか、ただの「伝書鳩」に過ぎません。
経営層から言われた理不尽な指示であっても、それは部下には見せず、まずは自分で消化して自分の言葉で部下に説明することは、リーダーに求められる必要最小限のスキルです。
部下は上司や言動を事こまかに見ています。リーダーが部下のことを理解するのには数週間から数ヶ月かかるかもしれませんが、部下が上司を判断するのには三日もあれば十分です。
まとめ
リーダーの条件5つを解説してきましたが、理想のリーダーになるためにもっとも大切なこと。
それは「部下への愛情」です。
「優れたリーダー」として組織の成果を最大化したいなら、まずは部下のことを徹底的に知り尽くし、良いところを見つけてあげてください。
そして今回ご紹介した5つの条件も参考に、「緊張感」と「愛情」と持ちつつ部下と接する必要があるかもしれませんね。
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