本記事では、DX(デジタルトランスフォーメーション)とは何かをわかりやすく解説しています。
デジタル技術の進化に伴い、新しい製品やサービス、ビジネスモデルが次々と生み出されています。人々の生活や社会が大きく変化する中で、「DX」という言葉が注目されています。
2018年5月、経済産業省は有識者による「デジタルトランスフォーメーションに関する検討会」を設置しました。
同年にはDXに関する報告書やガイドラインが相次いで発表され、注目度は全国規模に拡大しています。
ビジネスの世界では軽視できないものになっていますが、その意味をきちんと理解している人は意外と少ないのではないでしょうか。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは何か?まずは、この言葉の意味をおさらいしましょう。
デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱した概念です。
その内容は、「進化し続けるテクノロジーが人々の生活を豊かにする」というものです。
つまり、進化するデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものに変えていこうというもの。
デジタルトランスフォーメーションを直訳すると「デジタル変革」となりますが、「変革」ではなく「転換」という言葉がポイントです。
しかし、DXが意味するのは、単なる「変革」ではなく、デジタル技術による破壊的な変化を意味する「デジタル・ディスラプション」です。
つまり、既存の価値観や枠組みを覆すような、革命的なイノベーションをもたらすということです。
なぜ「DX」がデジタルトランスフォーメーションの略なのか?
デジタルトランスフォーメーションは英語で「Digital Transformation」と書きますが、その略称は「DT」ではなく「DX」です。
経済産業省や各種調査会社の資料には、DXという略語が頻繁に登場します。
デジタルトランスフォーメーション=DXとなっているのは、英語圏の共通表記に合わせて「Trans」を「X」と略しているためです。
Xの意味は、「eXchange」(交替)を意味したり、未知を意味するXという意味合いもあります。
ディスラプションとは?
- 破壊
- 崩壊
を意味します。
【シンプルにまとめ】DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味
- デジタル技術の浸透により、人々の生活をより良く変革すること
- 既存の価値観や枠組みを根底から覆すような、革新的なイノベーションをもたらすもの
ビジネス界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の定義
さて、DXという言葉の意味を説明しましたが、ストーリーを実際のビジネスシーンに置き換えてみると、どのように捉えることができるでしょうか。
経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーション推進のためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、以下のように定義されています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義/経済産業省
出典:経済産業省 デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)Ver. 1.0
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること
一言で言えば、「データやデジタル技術を使って、ビジネスに関わるあらゆる事象に変化をもたらすこと」を意味します。
つまり、データやデジタル技術を活用して、新しい製品やサービス、ビジネスモデルを創造することです。
- これまで存在しなかった製品やサービス、ビジネスモデルを生み出す
- 既存のビジネスにおいて、生産性向上、コスト削減、時間短縮のためにプロセスを再構築すること
- ビジネスそのものを見直し、働き方に変化をもたらす
- 上記を実現するためのベースとなる企業体質そのものを見直す
このように、DXは事業全体を根底から大きく変革するものです。
DX(デジタルトランスフォーメーション)まとめ
DX(Digital Transformation)の意味としては、「高度なデジタル技術を浸透させることで、人々の生活をより良いものに変えていく」というものです。
人間社会を豊かにするイノベーションをもたらすポジティブな言葉ですが、ビジネスの観点からは、企業が近い将来までに解決しなければならない課題として認識されています。
多くの企業にとっては、時代の変化に取り残されるのか、それともテクノロジーの進化とともに新たな時代に突き進むのか、というターニングポイントになるでしょう。
しかし、経営陣や現場のマネージャーだけが気を配っても、一朝一夕にどうにかなるものではありません。
会社の経営戦略を固め、社内の理解と協力を得て、一丸となって取り組むことが大切です。