皆さんの周りの人たちは、どのくらいの収入を得ていますか?
平均貯金額は「○○○万円以上です」と言われると、つい焦ってしまいますよね。
結婚しているのか独身なのか、子どもがいるのかいないのかなどの家族構成によって、毎月の支出や貯蓄額は大きく異なります。
また、将来的にマイホームの購入を考えているのであれば住宅ローンを、子どもを学校に通わせたいと考えているのであれば教育ローンを検討する必要があります。
さらに、近年話題になっている老後の資金不足という問題もあります。
人生にはさまざまなライフイベントがあります。
将来必要になるお金と、おおよその総額を知っておくと、将来への備えになります。
今回は、サラリーマンの平均貯金額、ライフイベントに使うお金について解説します。
サラリーマンの年代別平均年収・手取り額と平均貯金額
年収も手取りも貯蓄も、勤めている会社や職種、勤続年数などによって大きく異なりますが、平均値を見てみると面白いです。
国税庁が2018年9月に発表した「平成29年分民間給与実態調査」によると、年齢層別の一人当たりの平均年収は以下のようになっています。
<年代別平均年収・平均手取り額>
年齢 | 平均年収 | 平均手取り額 |
---|---|---|
20~24 | 262万円 | 209万6,000円 |
25~29 | 361万円 | 288万8,000円 |
30~34 | 407万円 | 325万6,000円 |
35~39 | 442万円 | 353万6,000円 |
40~44 | 468万円 | 374万4,000円 |
45~49 | 496万円 | 396万8,000円 |
50~54 | 519万円 | 415万2,000円 |
55~59 | 516万円 | 412万8,000円 |
55歳までは、年齢とともに平均年収が上がる傾向にあり、50~54歳の平均年収が最も高くなっています。
一般的な目安としては、給与から社会保険料や所得税、住民税などが差し引かれるため、上記の平均年収の約8割を手取りと考えて、年齢層別の1人当たりの平均手取り額を算出しています。
また、厚生労働省が発表した「平成28年国民生活基礎調査」によると、2016年度の世帯主1人当たりの年齢別平均貯蓄額と、年齢別平均借入額は以下の通りです。
<年代別平均貯蓄額・平均借入額>
年代 | 平均貯蓄額 | 平均借入額 |
---|---|---|
29歳以下 | 154万8,000円 | 263万4,000円 |
30~39歳 | 403万6,000円 | 865万7,000円 |
40~49歳 | 652万円 | 862万1,000円 |
50~59歳 | 1,049万6,000円 | 581万6,000円 |
比較してみると、住宅ローンや教育ローンの負担が大きい世代では、借入額が貯蓄額を大きく上回っています。
それぞれの平均値は上記の通りですが、実際には家庭によって細部が大きく異なります。
ご自身の収入や貯蓄と照らし合わせ、必要に応じて支出を見直してみてはいかがでしょうか。
30代、40代のライフイベントでかかる金額
30代、40代に多いライフイベントの種類と、それにかかる費用をチェックしておきましょう。
将来必要になるお金の目安を知ることで、目標を持って貯金することができるでしょう。
30代、40代のライフイベントを考えると、結婚して子供を産むことも考慮して、結婚資金、住宅資金、教育資金などが必要になります。
また、マイホームを購入した場合には、家の老朽化に伴う修繕費としてまとまった資金が必要になることもあります。
退職後の生活費や介護費用なども忘れてはいけません。
ここでは、30代、40代の大きなライフイベントとそれにかかる平均的な費用の例をご紹介します。
結婚費用 | 約488万円(結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用総額) |
---|---|
教育資金 | 子ども1人当たり約950万円(幼稚園から大学まですべて公立の場合にかかる学習費用総額) |
住宅購入費 | 約3,340万円(2018年度における住宅の全国平均購入価格) |
老後の生活費 | 1ヵ月当たり約24万円(夫65歳以上、妻60歳以上の高齢夫婦無職世帯の家計収支・消費支出) |
介護費用 | 1ヵ月当たり約17万円(介護保険受給者1人当たり費用額) |
緊急資金 | 約60万円(1ヵ月の生活費が20万円と想定し、生活費の3ヵ月分~1年分を確保する) |
結婚費用には、
- ブライダルローンなどの目的別ローン
- 教育には教育ローン
- 住宅取得には住宅ローン
というように使い分けることができます。
しかし、30代、40代でローンを返済しながらお金を貯めるのは簡単なことではありません。
子供が独立し、教育費の負担がなくなってから、老後のための貯蓄を始める方も多いのではないでしょうか。
老後資金を貯めようと思っても、病気やケガで働けなくなったり、急なリストラで突然お金が必要になることもあります。
思った以上にお金を貯めるのに時間がかかることもありますので、資産形成の準備は早めに始めることが大切です。
サラリーマンが貯金上手になるための方法とは
サラリーマンは毎月の収入が比較的安定しているため、しっかりと計画を立てれば貯蓄額を増やすことが可能です。
しかし、食費の節約や特別な商品の購入など、ちょっとしたことでも節約を意識していても、知らず知らずのうちに損をしていて、貯金が残っていないという状況になったことはありませんか?
そんなことにならないためにも、今一度、自分の収入と支出を見直すことから始めてみませんか?
保険の見直し
生命保険や傷害保険の補償内容が重複していないか、見直してみましょう。
多くの人は、保険を最初に加入したときのままにしていたり、知り合いに勧められて加入したりしています。
そのため、
- 「死亡保険」
- 「年金保険」
- 「がん保険」
- 「傷害保険」
などに分けて、現在の保障内容や支払額を確認しておきましょう。
保障額は年齢や家族構成によっても異なるため、定期的に見直すことが大切です。
自分で精査するのが苦手な方は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談してみましょう。
住宅ローンの借換え
住宅ローンの金利水準はかなり下がっています。
そのため、家計によっては、現在適用されている住宅ローン金利よりも、他の金融機関の住宅ローン金利の方が低い場合があります。
このような場合には、借り換えを検討することで、支出を大幅に減らすことができます。
借り換えの目安は、
- 金利差が1%以上であること
- 残高が1,000万円以上であること
- 返済期間が残り10年以上であること
です。
大手都市銀をはじめ、土日祝日でも相談を受け付けている銀行もありますので、一度借り換えシミュレーションをしてもらうと、月々の支払額や総返済額がどのくらい減るのかが具体的にわかりますよ。
家計の支出を計算する
家計簿は毎日つけるのは面倒ですが、毎月の収入と支出を把握するには最適です。
家計簿の支出に毎月の貯金額を入れて、計画的に貯金することを考えてみませんか?
また、貯蓄口座を設けて、保険料を給料から天引きするように毎月の支出に一定額の貯蓄を入金することもできます。
貯金する習慣がないと、あるだけ使ってしまい「足りないから貯金できなかった」ということになりかねません。
ですから、最初から貯金を支出として想定し「ないと困る」と思って別口座に預けておけば、少しずつお金が貯まっていきます。
貯蓄上手とは、このようにして貯蓄のためのお金を作る人のことです。
無理をせず、お金を貯めて少しずつ貯金額を増やしていきましょう。
次回は、サラリーマンが資産運用でお金を増やすには?という記事をお送りします。