10人程度のチーム朝礼や100人前後の全体朝礼…。どんな朝礼でも人前でしゃべるときに緊張しないひとはいません。
ただ、メンバーとして気軽に発表する朝礼とはことなり、上司という立場で人前で話す場合、特にスピーチの経験が少ない新米上司なら緊張するのも無理はありません。
ときには「緊張する朝礼がイヤになり、逃げだしてしまう」こともあるかもしれませんが、人前で話すことは組織人として生きていくうえでは避けて通れないことです。
今回は、朝礼で緊張しないための3つのコツと、部下を前にスピーチをする場合の「飽きさせない秘訣」について、明日の朝礼から使える情報をいくつかご紹介します。
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緊張しないための「3つ」のコツ
緊張しないコツをご紹介するまえに、「朝礼の心構え」からお伝えしておきたいと思います。
それは「朝礼で緊張しないひとはいない」ということです。
会社の朝礼でしゃべっている会社の幹部を見ると、いかにも堂々として話しているように見えますが、そんな人たちも心のなかでは少なからず緊張しています。
筆者も数々の上司を見てきましたが、人前で堂々と話す社長でも「若いときは朝礼で足が震えていた」ということを何度も聞いたことがあります。
慣れない朝礼で緊張するのもわかりますが、「緊張するのは自分だけじゃない。毎日偉そうにしゃべっているあの人も緊張してるんだ」と思うと、少しは気持ちが楽になるかもしれません。
すこし前置きが長くなりましたが、朝礼で緊張しないコツのひとつめは「自分の話に反応してくれる人を3人見つける」という方法です。
①うなづいてくれる3人だけを見つめて話す
朝礼で話す側としては、
「自分の話はつまらないから、誰も聞いてくれないかも」
「話に詰まったり、しどろもどろになったら格好悪いしな」
と感じて緊張してしまうケースがほとんどだと思います。
ただ、そんなときでも全体を見渡せば「しっかり目をみて話を聞いてくれる人」「うなづいてくれる人」が絶対に3人以上はいるものです。
たしかに、朝礼時に自分の話を聞いてくれない人がいると、どうしても緊張してしまうものですが、そもそも自分の話に耳を傾けてくれない人に気を使う必要はありません。
自信を持って話すためには、朝礼に参加している人のなかから自分の話を聞いてくれる人だけを探し出し、その数人だけを交互に見つめて個人的に語りかければいいのです。
特定の人だけを見て話しても、朝礼を聞く側からすれば全体に向かって意気揚々と話しているように聞こえるものです。
②準備し過ぎない
「うまく話そう」「面白い話をしよう」と意気込むがあまり、まるで原稿用紙を読むような感じで、話すことを準備して朝礼に臨む人がいますが、正直準備し過ぎるのはやめたほうが無難です。
結婚式のスピーチなら原稿用紙を見ながら話しても違和感はありませんが、さすがに朝礼で棒読みになるとそれはそれで余計恥ずかしくなるものです。
また話している途中で無理をして原稿から目を話して自分の言葉でしゃべろうとするがあまり、結局なにを喋っているのか訳がわからなくなる…というのがオチです。
朝礼はよどみなく話すよりも「ポイントをおさえて」話すことが重要です。
一言一句準備するよりは、話のポイントを3つ程度にわけて、ポイントごとに話す内容をメモしておくくらいがいいでしょう。
③仕込みも大事
社内の朝礼に参加していると、話す側と聞く側とで面白い掛け合いがあったりして、とても盛り上がる様子をよく見かけます。
その部分だけを見ていると「あ~、自分はあんなふうに面白いことは言えないな」と引け目を感じるかもしれません。
たしかに朝礼を盛り上げられるひとのなかには、それなりの話術があるひともいますが、なかには「事前の仕込みを万全にしている人」も少なくありません。
たとえば「朝礼の最後で話を振るから、昨日の失敗談を面白く語ってもらっていいかな?」などと同僚にお願いしておくと、緊張する朝礼から笑いに包まれる朝礼に変えることもできます。
なにげなく楽しげなスピーチをしている人も、それなりの「準備」をしているということですね。
話を聞いてもらうには身近な人の話題を見つけよう!
朝礼で人前で話すひとにとって、もっとも辛いのは「自分の話を聞いてくれないとき」です。
「眠そうに頭をうなだれて聞いているひと」
「聞いているフリをしてパソコンでほかの仕事をしているひと」
など、朝礼に参加している人の多くは話を聞いていません。
しかし、朝礼で話す内容のなかには絶対に伝えないといけない大切なことも含まれていますので、少なからず重要な部分には耳を傾けてもらう必要があります。
では、話を聞いてもらうためにはどうすればいいのか…。
答えは「聞いている人にとって身近な話題を投げかける」ことです。
朝礼でなぜ人の話を聞かないか…。
それは「話されている内容が自分には関係ないから」です。
逆に、身近な人の話題や「〇〇チームの〇〇さんがどんなふうに営業をしているか?」など、話を聞く側にとってメリットのある話をすれば、少しは耳を傾けてくれるのではないでしょうか。
毎日話を聞いてくれるネタを探すのは大変かもしれませんが、本当に朝礼で話を聞いてほしいなら、事前の準備や情報収集に時間をかけるのも大切です。
まとめ
私、嶋も今でこそ100~200名の大勢の前で話しても全く緊張もせず、逆に緊張を楽しめる余裕まで出てきましたが、新米リーダーの頃は朝礼がイヤでしょっちゅう朝礼を中止していました。
また、挙句の果てには朝礼で話すネタがないために「急にお腹が痛くなったから」とトイレに逃げ込んで、部下に朝礼を任せていたこともありました(最低ですね…)。
そんな私が人前で緊張しなくなったのは、やはり「場数(ばかず)」のおかげと準備のたまものです。
以前は朝礼の前日には新聞やネットニュースを読みあさり、あたかも自分の情報のように話していたものです。
この記事を読まれている人のなかにも同じような境遇の人もいるかもしれませんが、ぜひ逃げずに努力してみてください。
3年後5年後には絶対に人前で話しても緊張しない、余裕のあるスピーチができるようになるはずです。