職場の問題解決コンサルティングをしている嶋・よしかずです。
今回は、多くのコンサルティング活動で分かっている、一流の上司ほど部下を褒めないという興味深い内容を皆さんにお届けします。
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部下の問題行動にどのように対処する?アドバイスよりもフィードバック
部下の問題行動に対処するには、「アドバイス」よりも「フィードバック」を心がけるのが一番です。
なぜなら、「アドバイス」は「上から目線」と受け取られがちであり、「答え」が与えられるため、自分で考えて行動を修正することにつながらないからです。
部下へフィードバックをするときは、問題があったらすぐに・軽く・フラットに伝えるのがよいでしょう。
同じようなフィードバックが複数の人から何度も繰り返されれば、いずれその人は気づくでしょう。
上司は一度のフィードバックで相手を変えようと焦らないことです。
しかし、問題行動が長期化していたり、他の人に悪影響を与えていたりする場合は、「すぐに、軽く、フラットに」では通用しません。
時間をかけて、1対1でフィードバックする必要があります。
問題が深刻なだけに、部下本人の「心理的安全性」を傷つけずにフィードバックすることは、上司にとって最もストレスのかかる難しい仕事の一つです。
褒めるより事実を伝える
どんなに丁寧にフィードバックしても、メンバーの「心理的安全性」を傷つけてしまい、自分の問題に向き合うことが困難になってしまうことがあります。
問題行動に対するフィードバックですから、これはやむを得ないことかもしれません。
しかし、成功の確率を高める方法はあります。
フィードバックには、「逸脱」を指摘するネガティブなものだけでなく、「目標を達成している」というポジティブなものもあるからです。
普段から意識的にポジティブなフィードバックをすることで心理的な安全性を高めておけば、ネガティブなフィードバックをしなければならないときにセーフティネットとして機能してくれます。
ポジティブなフィードバックを9回すると、ネガティブなフィードバックを1回することができると考えればいいのです。
どうしたらそんなにポジティブなフィードバックができるんだ!”?と思うかもしれません。
しかし、チームメンバーを注意深く観察すれば、いくらでも強みを見つけることができますよ。
問われているのは、上司であるあなたの観察力です。
しかし、ポジティブフィードバックは褒めることとは少し違います。
褒めるとなると、どうしても上から目線になりがちなので注意が必要です。
それよりも、「お客様が身を乗り出して聞いていましたよ」「〇〇さんは、先ほどのお話をしっかりメモしていましたよ」などと言ってあげましょう。
そうすれば、メンバーはあなたの言葉を素直に受け止めてくれるでしょう。
また、上司自身が、周囲からのネガティブなフィードバックを歓迎する姿勢を示すことも重要です。
なぜなら、自分自身へのフィードバックに消極的な上司は、いくらメンバーにフィードバックしようとしても相手にされないからです。
もちろん、メンバーは上司であるあなたに直接ネガティブなフィードバックをすることはないでしょう。
しかし、これらは「チームの雰囲気が停滞している」という形で現れてきます。
上司は、このようなフィードバックに敏感でなければなりません。
もし部下からネガティブなフィードバックを受けたら、上司はそれを真摯に受け止め、修正しましょう。
上司の行動は、必ずメンバーに伝わります。
一人ひとりのフィードバックに対する真摯な対応の積み重ねが、健全なチームを作っていくのです。