毎日、当たり前のように送っているビジネスメールですが、送信者側のちょっとした工夫で、受信者の印象は大きく変わります。
テキストベースのコミュニケーションツールだからこそ、好印象を与えられるように小技を加えてみましょう。
ビジネスメールは要点をおさえ温かみを添えることも重要
“基本的なマナーを守り、伝えるべきことを丁寧にわかりやすく伝える”のが、ビジネスメールの基本ルールです。
いまやメールでなくても、SNSやビジネスチャットで思いを伝えることは可能です。
ビジネスメールの役割は、シンプルでスピーディーなものから「手紙」に近いものへと変化しているのかもしれません。
もちろん、ダラダラと長くて読みにくいメールはよくありません。
しかし、正論や論理的な言葉だけの簡潔なメールは印象に残らないでしょう。
メールだからこそできる工夫で、読み手に温かい印象を残すことが大切です。
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ビジネスメールの書き出しに気遣いな一行を入れる
SNSではなくメールだからこそ、無機質なメッセージではなく、「思いやり」を添えたいものです。
かつては “余計なお世話”と敬遠されていた季節の挨拶も、今ではメールを豊かにする有効な手段となっています。
たとえば「今日は暖かくなって春めいてきましたね」「梅雨で毎日雨が降っていますね」などです。
このように一見関係のないセリフを、ビジネスメールの冒頭に入れると、機械的な印象を軽減させる効果があります。
また、最後に追伸(p.s)を入れるのも有効です。
「先日教えていただいた、会社近くのラーメン屋さん!とても美味しかったです!」などです。
相手のことや、会話の中で出てきた話に触れると印象に残るのではないでしょうか。
ビジネスメールではあえて定型文のような書き方をしない
メールで使われる言葉は、情報だけでなく、その人の印象を伝えるものです。
お客様へのビジネスメールだからと、敬語だらけのメールを書く人がいますが、ただ丁寧に書けばいいというものではありません。
「いつもお世話になっております。私は〇〇社の嶋と申します。先日はお忙しい中、ご協力いただきましてありがとうございました」という文面はよく見かけますよね。
しかし、すでに信頼関係を築いている相手の場合、あまりにも丁寧すぎると「私と距離を置きたいのかな」と思われてしまうかもしれません。
場合によっては、「見下している」と受け取られる可能性もあるでしょう。
特に、相手がややカジュアルなメールを送ってきたときに、堅苦しいスタイルで返信するのは避けたいものです。
「相手よりもワンランク上の丁寧さ」くらいがちょうどいいでしょう。
ビジネスメールの件名と本文の冒頭で要件を簡潔に示す
クライアントが役職者であればあるほど、1日に受け取るメールの数は多くなります。
メールを読み飛ばしたり見逃したりしないようにしなければなりません。
とくに、重要なクライアントであればなおさらです。
本当に読んでもらいたいのであれば、タイトルに「○○についてのご連絡です」など要件を簡単に説明するようにこころがけましょう。
自分の名前を入れたり、「●」や「[]」などの記号を使ってメッセージを目立たせるのも効果的です。
大量の受信メールに埋もれず、メッセージをすぐに読んでもらえる可能性が高くなります。
ビジネスメールは結論を先に書く
SNSやビジネスチャットなどで短い文章を使うことが増えてきたため、メールにもわかりやすさが求められています。
前文が長すぎると要件が理解されず、「どうでもいいメール」と判断されて最後まで読まれないかもしれません。
「お問い合わせの件は〇日に納品可能です」と結論から始めたり、「今回は〇〇と△△の2点について報告します」のようにメールの内容を提示すると、相手は最後まで読んでくれやすくなります。
ビジネスメールの書き終わりは署名に個性を
署名には、相手に「自分が何者か」を伝えるという役割があります。
必要以上に装飾する必要はありませんが、会社名や部署名、連絡先に加えて、伝えたいことを一言添えると効果的だと思います。
自社の情報を掲載したURLでも良いですし、力を入れている製品やサービスについて一言添えてもいいでしょう。
自分の近況を一言添えることで、読み手に自分のことを印象付けることもできます。
以前、「今日は何の日」「戦国武将たちの名言」などが書かれた署名に出くわしたことがあります。
つまり、送信者は毎日、署名を書き換えているのです。
頻繁にやりとりする相手を楽しませようという気遣いが感じられ、メールを開くのが楽しみになりますよね。
まとめ
お互いの顔が見えないことで、誤解やミスコミュニケーションが起こりやすくなります。
簡潔に情報を伝えようと思って送ったメールが「不誠実」「事務的」と受け取られたり、良かれと思って書いたメールが相手に批判的に受け取られたりすることがあります。
当たり前のことですが、ビジネスメールにおいても、相手の状況や立場を考慮することが大切です。
取引先へのビジネスメールであっても、相手の気持ちに寄り添った温かみのあるメールは、お互いの距離を縮める効果があります。
何度かメールをやりとりして親しくなったクライアントには、挨拶やちょっとした世間話など、人間的な柔らかさをプラスしてみるのもいいでしょう。