気づけば「できる人」から辞めていく職場だった ― 現場一筋の20年で見てきた共通点と、自分の辞め時の見極め方

「え、あの人が辞めるの?」――そう思った送別会が、この20年で何度あったか分かりません。仕事ができて、周りにも気を配れて、正直「この人がいなくなったらまずいだろう」と誰もが思うような人ほど、ある日あっさり辞めていく。逆に、周りに迷惑をかけがちな人ほど、なぜか長く居座り続ける。もしあなたの職場にも同じような空気があるなら、それはあなたの気のせいでも、たまたまでもないかもしれません。

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「またあの人が辞めるのか」を何度も経験してきました

現場を長くやっていると、いろいろな辞め方を見てきます。円満に次のキャリアへ進んでいく人もいれば、限界まで我慢してある日突然出社しなくなる人もいる。共通して感じるのは、辞めていくのは決まって「もう少しこの人にいてほしかった」と思うような人からだ、ということです。優秀な人ほど他の場所でもやっていける自信があり、見切りをつけるのも早い。逆に、辞める体力すら残っていない人ほど、しんどい状況にとどまり続けてしまう――そんな構造があるように思います。

まともな人から辞めていく職場に共通する3つの空気

あくまでも自分が見てきた範囲での話ですが、そういう職場にはいくつか共通する空気があります。

ひとつ目は、頑張った人よりも、うまく立ち回った人が評価される空気です。地道な仕事が正当に見てもらえないと分かると、まじめな人ほど早く見切りをつけます。ふたつ目は、問題を指摘した人が「面倒な人」として扱われる空気です。おかしいと声を上げても改善されない、それどころか浮いてしまうとなれば、指摘するだけ損だと学習してしまいます。三つ目は、新しい人がすぐ辞めていくのを、誰も本気で問題視しない空気です。「今どきの若い子は」で片付けてしまう職場では、根本の原因が放置されたままになります。

「まだ大丈夫」と「もう限界」を分ける、静かなサイン

辞めていく人の多くは、辞める直前まで表向きは普通に振る舞っています。だからこそ、分かりやすい不満よりも、小さな変化のほうが実は重要なサインだったりします。会議での発言が減る、雑談に参加しなくなる、有給を淡々と消化し始める、これまで拾っていた雑務を拾わなくなる――こうした変化が同時期に重なってきたら、本人の中ではすでに答えが出ていることが多いように感じます。もしこれを読んでいるあなた自身に、こうした変化が起きているとしたら、それは怠けているのではなく、心が先に見切りをつけ始めているサインかもしれません。

辞める辞めないより先に、まず記録を残しておく

「辞めたほうがいいのか、まだ頑張るべきなのか」を焦って決める必要はありません。それより先にやっておいて損がないのは、今の職場で何にどれだけ消耗しているかを、簡単にでもメモに残しておくことです。人間関係が理由で辞めることになった場合、退職の伝え方や面接での答え方に悩む方は多いのですが、正直な気持ちを角の立たない言葉に言い換えるテンプレートを別の記事で、面接での回答の作り方をこちらの記事でまとめていますので、いざというときのために目を通しておくと安心です。

それでも「今じゃない」と思ったあなたへ

まともな人から辞めていく職場だと分かっても、すぐに動ける事情ばかりではないと思います。それでも、今の違和感を「気のせい」で片付けずに、ちゃんと自分の中で言葉にしておくことには意味があります。いつか動くときのための判断材料は、多いに越したことはありません。具体的にどう動けばいいか整理したい方は、職場の人間関係に限界を感じたときの脱出手順もあわせて読んでみてください。あなたが辞めるにしても残るにしても、決めるのはあなた自身のペースでいいはずです。

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